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2019.08.26

国保の均等割課税額に「ふるさと納税」の活用を(18~19年度 第3回保団連代議員会 発言通告用紙)

発言テーマ:国保の均等割課税額に「ふるさと納税」の活用を

岩手県宮古市(人口52,000人)では、今年度より、子育て支援の一環として、18歳未満児を対象に、1人あたり2万5,400円の国保の均等割課税額を免除することとなった。対象者は501世帯836人の見込みで、宮古市の減免減収額は1478万円、システム改修費が358万円となっている。

宮古市がその財源として充てたのが、9つ設けられている「ふるさと納税」の使途の中の「市長におまかせ」という項目分である。宮古市の山本正徳市長(歯科医師・岩手協会会員)が、市長の専権事項として「構造的欠陥」である高すぎる国保税の改善策を打ち出したことは画期的なことである。しかも、国保特別会計ではなく、一般会計からの支出となるので、子どものいない人の保険料が上がることはない。

昨年度までの宮古市の国保税は、法定軽減のない収入400万円の子ども2人の世帯で、41万8千円が課税され、同等の収入の協会けんぽ加入者よりも課税額は約19万円高い。今回の決定で5万8百円が減免されるものの、「高すぎる国保税」という根本的な問題が解決されたわけではない。全国知事会や市長会は、協会けんぽの事業主負担にあたる分を国に求めているが、国は、国保の広域化に伴い、国保会計への一般会計繰入を認めない意向である。抜本的な解決策は、各市町村の負担に委ねず、国が国費を投じて、国保の欠陥構造を見直すことが必要である。

「ふるさと納税」については、各自治体の豪華返礼品については報道されるが、使用使途について目にすることは少ない。既に実施されている市町村もあると聞くが、全国の協会・医会や社保協などで自治体と要請・懇談をする際に、高すぎる国保税を少しでも減免させる方策としての「ふるさと納税」の活用を提案してみてはいかがだろうか。

 

執行部答弁

骨太の方針2019、財政制度等審議会の建議では、「受益と負担の見える化」、「保険給付に応じた保険料負担」という記載とともに、自治体が住民の生活実態や健康を鑑みてあらゆる保険料水準を維持するために、独自に行ってきた一般会計からの法定外繰り入れの早期解消を強く迫っています。骨太の方針2019には、保険者努力支援制度における罰則である、保険者努力支援制度における加減算双方向でのインセンティブ措置の導入がなされました。即ち交付金を減算する仕組みの導入が明記されたということです。

また、地域別診療報酬については、都道府県の判断に資する具体的な活用策の在り方を検討すると記載されています。財政審の地方公聴会では政府・財務省の方針に沿って、法定外繰り入れ解消・統一保険料の導入を、先陣を切って進める奈良、滋賀、大阪の3知事が報告し、奈良県知事は地域別診療報酬を「伝家の宝刀」と評して病床削減・医療費抑制のための脅しにつかう姿勢を示したところです。

しかし、そもそも国保は他の保険医療制度に比べて払えないほど保険料が高くなっている現実があります。その根本的な原因は国庫負担割合の削減にあります。加入世帯の高齢化、低所得者世帯の増加などによって国の責任が増す中で、国庫負担の増額なしには高すぎる国保料の問題は解決、しないと考えております。

また、自治体の法定外繰り入れが削減・廃止されたら、今でも高い国保料がこの先さらに高騰していくことは避けられません。保団連として、あらためて国に対して法定外繰り入れの継続、国庫負担の増額の要請を強めてまいります。

同時に都道府県・自治体に対する地域での運動も非常に重要です。子育て支援にも逆行する子どもの均等割も早急に廃止すべきです。地域の社保協などと協力した取り組みで新たに子どもの均等割を減免する自治体も出てきています。東京での取り組みや岩手のふるさと納税の活用をご紹介いただいており、これらの事例も参考にしながら取り組みをさらに強化していきたいと存じます。

 

■国保の均等割課税額に「ふるさと納税」の活用を(18~19年度 第3回保団連代議員会 発言通告用紙) [PDF形式]

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