「岩手県保険医協会」国民の医療と健康の確保を図り、保険医の生活と権利を守る

 

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2025.03.03

24~25年度 第2回保団連代議員会 発言通告
「医療費窓口負担の財源を「ベーシックサービス」ではどうだろうか。」

医療費窓口負担の財源を「ベーシックサービス」ではどうだろうか。

【発言内容】

歯科交流集会において歯科医療費の総枠拡大を目指している。総医療費約45兆円の10%、約4兆5千億円が目標となろうか。現状より、あと1兆円必要である。その財源はどうしたらよいのであろうか、また、技術料のアップなど拡大による歯科医療費の患者負担はどう考えたらよいのであろうか。

さて、東日本大震災において、宮城県は被災者の医療費窓口負担が免除となった1年間に歯科医療費の著しい増加を経験した。これまで、いかに歯科治療を我慢して来ていたのかという思いがする。岩手県においては10年間、被災者の国保と後期高齢者で医療費窓口負担免除が行われた。免除打ち切り時の当協会のアンケートでは今後通院できないという回答が国保加入者55.9%、後期高齢者42.2%であった。その後の実例をあげると10年間、定期的に歯科健診とスケーリングで通院していた後期高齢者の被災者は内科疾患で病院に通院しているので、もう歯科には来られないと話され、来院しなくなった。窓口負担が発生するとまず、我慢してやめるのが歯科治療である。

ところで、慶応大学経済学部の井出英策教授の提唱するベーシックサービスをご存じだろうか。消費税を16%ちょっとにあげることにより、医療、介護、教育、障がい者福祉の自己負担をなくすことである。消費税が嫌われる原因の一つとして、民主党政権で5%から10%に引きあげたが、国民に直接還元することなく、8割が社会保障の借金に使われたからとしている。このため政府の税の使われ方を監視すべきとし、オランダの例を挙げている。
 このように、消費税を財源として歯科医療費の総枠拡大を目指し、歯科技術料のアップを考えてはどうだろうか。また、患者さんの自己負担をなくすことにより歯科治療に戻ってくることにもなる。医療団体として、医療、介護に特化して、消費税を財源としたライフセキュリティを模索していくべきであろう。

■「医療費窓口負担の財源を「ベーシックサービス」ではどうだろうか。」(24~25年度 第2回保団連代議員会 発言通告) [PDF形式]