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2024.08.06

24~25年度 第1回保団連代議員会 発言通告
「PFAS(有機フッ素化合物)使用のデンタルフロスに関する取り組みのご紹介」

PFAS(有機フッ素化合物)使用のデンタルフロスに関する取り組みのご紹介

【発言内容】

2019年1月、アメリカで、一部のデンタルフロスを使用していると体内にPFAS(有機フッ素化合物)が蓄積するという報道がありました。日本でも2019年1月30日、ニュースサイト「メディカルトリビューン」に記事が掲載されております。

有機フッ素化合物は、フッ素と炭素が結合した化合物の総称で、自然界には存在せず人工的に合成されたものです。それに対し、無機フッ素化合物は、フッ素とナトリウムやカルシウムなどの金属や非金属が結合した化合物で、無機フッ素化合物やフッ化物イオンとして自然界に広く存在しており、適量の摂取であれば虫歯予防効果が得られます。

有機フッ素化合物は、消火剤やフライパンなどのフッ素樹脂(テフロン)加工、はっ水剤、ワックス類などに使用されていますが、自然環境中で生物分解されにくく、生物の体内に蓄積されやすいと考えられており、動物実験や海外では発がん性や発達障害などの影響の可能性が報告されております。

上記のアメリカの報道では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)というテフロン系樹脂のデンタルフロスを使用している女性では、不使用の女性と比較してPFASの血中濃度が約25%高かったとされており、P&Gの「Oral B Glide」シリーズの商品が記載されています。

当協会が岩手県盛岡市内の薬局やドラッグストアなどの店頭で、PTFEを使用するデンタルフロスが販売されているか調べたところ、マツモトキヨシにP&Gの「Oral B Glide」が販売されておりました。また、インターネット通販などではP&Gの「Oral B Glide」をはじめ、エイコー株式会社の「オーラルドクターデントヘルス」、エビス株式会社の「超薄スムーズフロス」、株式会社デントケアの「フロスエイド プロ」、「デントフロス プロ」などが販売されていました。PTFEを使用するデンタルフロスは、材質欄に「PTFE」と記載があり、テフロン系のため滑りやすさを謳っていることが特徴となっております。

これらを踏まえ、デンタルフロスを購入する際には材質に注意していただきたいという注意喚起と、虫歯予防で使用される「無機フッ素化合物」は全く異なる物質で、フッ化物洗口やフッ素塗布を行ってもなんら問題ないということを地元紙「岩手日報」に投稿したところ、2024年2月29日付で掲載され、広く県民にお知らせすることができましたので、活動の参考としていただけたら幸いです。

■「PFAS(有機フッ素化合物)使用のデンタルフロスに関する取り組みのご紹介」(24~25年度 第1回保団連代議員会 発言通告) [PDF形式]