「岩手県保険医協会」国民の医療と健康の確保を図り、保険医の生活と権利を守る

 

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総会
2012.06.10

第35回定期総会アピール

春はきっと来ると信じても、夜は必ず明けると思っても、昨今の日本を覆う閉塞感は傲然と居座ったままです。民主主義のいわば骨法を等閑に付し、時代の大きな潮流よりも細部に拘泥する政争は、政治システムの崩壊を招いています。富は、一部の企業のみに偏在し、一般の国民には無縁です。失政による格差は、合理的なものとは異なり、政治空間の共有性を奪い、健全な対立を損なっています。その結果として、民主主義の前提である一体性が脆弱になり、民主主義そのものが機能不全に陥っているといわれています。

さて、2011年度の本協会の活動は、昨年3月の東日本大震災による被災からの医療関連の復旧・復興を中心としたものになりました。特に、被災された方々の医療費窓口負担免除やその延長、診療中断を余儀なくされた医療機関の早期再開への支援を、国・県・政党等に繰り返し要請して参りました。

被災11ケ月後の会員アンケートによると、「移転場所の確保」や「二重債務による財政圧迫」等の問題から、本格的診療所再建は道半ばの状態です。運転資金の入手にも厳しさを訴えており、経営的にも焦慮の色を隠せない状況です。被災地以外の受診行動も決して安閑としたものではなく、「間引き服用の増加」とか「受診控えがある」という回答にみられるように、窓口の高負担が県民の健康・生命を脅かしています。

このような実状を慮ると、まず、先進諸国に比べ高い窓口負担を引き下げるとともに、民主党が政権公約としたように日本の医療費をOECD平均まで引き上げるべきです。また、「社会保障と税の一体改革」と称して実現を図る消費税増税は、医療機関のみならず中小企業の経営を今以上に圧迫することは必至です。国家予算の不足財源は他に求めてこそ、世論を尊重することになるのではないでしょうか。

原発の再稼働問題は、電力不足がエネルギー供給問題、ひいては経済に直結してはいるものの、事故の再発を思う時、国民の生命と生活への影響が余りにも深刻であり、大きな岐路に立たされています。一次産業や国民皆保険制度を壊滅に導くと危惧されるTPP(環太平洋経済連携協定)は、日米間の他の問題に視点が移り、目下棚上げ状態です。これを奇貨に、一層の参加阻止運動を展開しなければなりません。

今次改定された国税通則法は、税務調査の際の行政の権限を大幅に拡大するものであり、会計士・税理士等の税の専門家も、納税者の義務のみが一方的に強化されたと、警戒感を抱いています。それに対し、多くの国民の要求する「納税者の権利憲章」の制定は、国からは一顧だにされませんでした。

日常の医療活動に不可避となった電子レセプトは、本年からは縦覧点検・突合点検開始という画期的な局面を迎えました。山積する医療問題を放置したままで、新たな負担を間断なく押しつけてくる国の姿勢は、決して容認できるものではありません。指導・監査問題と併せて、保団連共々今後も精力的に取り組んでいくべき課題です。

種々の問題を列挙する時、われわれは個々人の非力さを痛感してしまいがちです。しかし、問題解決に度々難渋してしまうのは、民主主義の弱体化、すなわち政府の提供する情報の不足が原因となっているのではないでしょうか。判断する材料が隠蔽されると、自分達が何を追求すべきか、何処に進むべきか、いたずらに悩まされてしまうのです。情報開示を得た上で、「人は自分に可能なものしか、本当には欲しない」(デカルト)という思考によった見切りが、打開のための力の源泉となるのではありますまいか。

このような現状を踏まえ、岩手県保険医協会は、多くの人々や団体と手を携えて、安心して生活ができる平和な社会を築いていくために、引き続き尽力を惜しまない所存であります。

 

第35回定期総会にあたり、この決意を表明するものであります。

 

2012年6月10日
第35回岩手県保険医協会定期総会

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