「岩手県保険医協会」国民の医療と健康の確保を図り、保険医の生活と権利を守る

 

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総会
2016.05.29

第39回岩手県保険医協会定期総会アピール

時代は動き、人が動き、被災の傷は時の流れとともに治癒していくものと期待されていました。しかし、またも地は動き、被災地の人々は世の無常迅速の淵に沈みました。東日本大震災の5年経過を待っていたかのように、この度は熊本地震が先月襲来したのです。東日本大震災の爪痕はいまだ癒しがたく、復興完遂への名状しがたい疑心から、避難したまま戻らない人、あるいは戻れない人、去りゆく人が、後を絶ちません。熊本地震も決して他人事ではなく、当協会としても極力支援に協力していきます。

さて、昨今の世界の情勢をみますと、貧富の格差がますます拡大しています。上位62人の総資産は、下位50%の36億の人々のそれに匹敵するといわれ、IS(イスラム国)の跋扈に伴うテロなどの社会不安を助長しています。国内では、いわゆる貧困格差に多数の人々が喘いでおり、6人に1人の子どもが相対的貧困の状況に置かれ、年収200万円以下の労働者が1100万人(17%)、非正規労働者は2000万人(38%)を超えています。

協会・医会、保団連による2015年受診実態調査の中間集計がでました。主に患者の経済的理由からと思われる治療中断の経験があるのは全体の約4割で、医科の約3割、歯科の約5割でありました。この半年間の患者一部負担金の未収金は約半数が経験し、全額回収できたのはそのうち3割程度でありました。患者の経済状態は、医院経営にも影響を及ぼします。強者は傍観を止め、弱者は隠忍を排するべきです。貧困と貧乏を峻別し、富の再配分の是正により貧困を撤廃すべく、政府の真の成案を熱望します。

この度の診療報酬改定は、本体こそ微増となりましたが、全体では1.44%のマイナスでした。施設基準の強化が如実であり、医療機関への締め付けがまたも厳しいものでした。さらに、「地域包括ケア」の美名のもと、退院患者の受け皿となる在宅医療や施設が未整備のまま、入院日数の短縮化が図られています。国の責任を都道府県に押し付ける性急な手法は、医療全体の崩壊を招く危惧があります。

また、国民への情報を厳しく制限する特定秘密保護法や、いつでも集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法が施行されました。そして、福島第一原発事故の検証は不十分のまま、川内、高浜と原発再稼働が強行されました。国を守る、国を富ますとは言っても、責任不在の姿勢しか見えてきません。

TPPについては、今後も注視が必要です。発効されると、医療の民営化が促進されて国民皆保険制度が形骸化し、薬価制度の見直しによる薬価の高騰が起こります。患者への医療の恩恵を大幅に制限されるのは自明とされています。

一方、県内では、東日本大震災の被災者の国保と後期高齢者の窓口負担免除が、さらに1年継続されることになりました。当協会が震災後毎年行ってきた被災者医療費アンケートに記された被災者の声も、県政を動かした一因です。医療費助成制度においても、大きな動きがありました。東北で唯一償還払いであった当県でも、本年8月から、就学前までの現物給付が実現するのです。各市町村議会から県への請願採択に長年にわたって働きかけ、「子どもの医療費助成拡充を求める岩手の会」に全面協調した成果です。今後の課題は、中学卒業まで現物給付で窓口負担を無料化することです。

このような情勢のもと、岩手県保険医協会は、人々が安心して生活できる平和な社会を築いていくため、保険医の使命と医療団体の責任を持して、他団体とも協力しつつ、一層の努力をしていく所存であります。

第39回定期総会にあたり、この決意を表明するものであります。

 

2016年5月29日
第39回岩手県保険医協会定期総会

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