「岩手県保険医協会」国民の医療と健康の確保を図り、保険医の生活と権利を守る

 

TOPICS-お知らせ-

声明
2014.07.15

十分な審議もなく、医療・介護総合法を可決、成立させたことに強く抗議する抗議声明

6月18日、参議院本会議において、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(以下、医療・介護総合法)が、自民・公明両党の賛成多数で可決、成立した。

参議院本会議では全野党が反対し、討論においては、19本もの重要法案が一括されたことなどに対し、「国会軽視の暴挙」「国会の審議権を奪うもので、立法府の責任が果せない」と強く抗議する意見が相次いだ。

また、私たちはこの間「徹底した審議を」と繰り返し要請してきたが、結局、参考人質疑や公聴会をのぞくと、衆議院で28時間、参議院で27時間しか審議が行われず、衆参両院の委員会採決時には、全野党から審議継続の要求が出されたにもかかわらず、採決が強行された。

こうしたあまりにも乱暴な国会運営は、議会制民主主義を破壊し、国民の国会に対する信頼を失墜させるものである。断固抗議するとともに、このような手法で成立した医療・介護総合法は、少なくとも徹底した審議をやり直すべきである。

そもそも医療・介護総合法は、社会保障について「自助・自立」を第一として国の責任を放棄し、効率化の名の下に患者を入院から在宅へ、施設から地域へと押し出して、安上がりの医療・介護を国民に押し付ける内容となっている。同法に則って行われる施策により、医療難民・介護難民がさらに生み出されるとの強い懸念が国民各層に広がっている。上からの強権的な医療提供体制の再編、介護保険の給付減・負担増など、このまま同法の具体化が推し進められれば、患者・県民は地域で安心して暮らすことができなくなる。

一方、医療・介護総合法は成立したが、施行にあたっての政省令、ガイドライン、各種計画などの策定はこれからである。県民のいのちと健康を守る医師・歯科医師として、私たちは引き続き地域医療の現場から声を上げ、医療現場の実態を反映させる取り組みを、患者・県民とともに強めていく。

今回の政府の挙に強く抗議する。

 

2014年7月15日
岩手県保険医協会 理事会

 

十分な審議もなく、医療・介護総合法を可決、成立させたことに強く抗議する抗議声明(PDF形式)