「岩手県保険医協会」国民の医療と健康の確保を図り、保険医の生活と権利を守る

 

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2017年度活動方針

過去最大の一般会計(総額97兆4,547億円)の2017年度国家予算案が可決されました。米国からの武器調達などの軍事費が5年連続で最高値を更新する一方で、社会保障費は、自然増含む概算要求額6,400億円を大幅に下回る5,000億円とし、国民生活の窮状を顧みず、国民にさらなる負担を求める方針となっています。アベノミクスは、トップが富を得ることで下層まで富が滴り落ちるという、いわゆるトリクルダウン理論ですが、野村総研の調査によると、2015年において、国内金融資産の20%を2%の富裕層が所有しているなど、富の集中には成功している一方、総務省の家計調査において、3年連続で消費支出が前年割れし、個人消費の落ち込みが長期化している結果が出ており、経済政策としては破綻しているのは明らかです。政府には、自らの施策により貧困や経済格差が広がり、健康格差が生じていることを直視させ、社会保障の充実を求めていくのに対し、地方自治体に対しては、疲弊している実態も踏まえつつ、若年層の人口流出対策、子育てしやすい環境づくりという観点で、市町村独自での医療費助成制度拡充等を求めていきます。

「米国第一主義」を掲げるトランプ大統領が就任し、TPPを永久離脱することが宣言されたことにより、TPPの発効が事実上困難となりました。しかし、二国間通商交渉の促進や貿易赤字解消、日本の為替政策への批判など、米国はさらなる圧力をかけてきています。二国間協議により、医薬品の調達や薬価等に介入してくることを危惧する声が中医協でもあがっておりますが、当会でも、米国第一主義となる医療制度への改変には明確に反対の意を示し、他分野においても同様の危惧を抱いている諸団体とも連携していく所存です。

2018年4月には、診療報酬、介護報酬の同時改定が行われます。安倍首相は、同時改定は非常に重要な分水嶺とし「適正化」、「均一化」の名により医療費削減の柱とすることを表明しています。一般病床、療養病床から在宅医療等へ誘導する方針をより色濃くしていくことが予測されますが、このままでは、在宅医療が必要とする医療資源が枯渇している地方において、医療難民、介護難民となる患者が増加します。私たちは、病床削減ありきの「地域医療構想」の動きを注視し、提言を行っていく一方、疲弊した医療・介護現場を改善するには報酬の大幅増しかないという考えから、保団連から提起される診療報酬の改善を求める会員署名等に取り組み、また、新点数検討会等を通じて、会員医療機関へいち早く改定情報をお伝えするよう努めます。

最後に、政府は、計画段階での処罰を可能とする「テロ等準備罪」(共謀罪)を新設する「組織犯罪処罰法改正案」を提案しました。これは、東京五輪の準備のためにテロ行為を防ぐ目的としたものだと喧伝されているものの、犯罪主体や準備行為の有無を判断するのは捜査機関であり、テロのような重大犯罪だけではなく、軽微な犯罪も対象となっています。これにより、捜査機関の裁量次第で、政府の意に沿わない市民や、当会のような健全に運営をしている一般団体などでも、恣意的に処罰対象になる可能性があること、医療関係者が関わる法律も対象となり、萎縮診療に?がる可能性があることから、状況を注視しながら、専門家、諸団体と情報を共有して対応していきます。

県民の医療と健康を守るための医療運動に関する取り組み

窓口負担軽減を求める運動については、クイズハガキや署名運動を通じて、着実に広がりをみせています。また、被災者の受診に関するアンケート結果からも、負担が増えるほど受診を控える傾向があることが明らかとなっています。活動報告でも触れたとおり、署名等に寄せられた県民の生の声は、これ以上の負担増は困るというものが大半です。このような結果をもとに、被災地からという視点も含め、患者負担増が受診抑制に直結することを発信していく所存です。

また、前述のような県民の声を背景とした、医療費助成拡充や、窓口負担の現物給付を求める運動については、活動報告のとおり、一定の成果をあげることができましたが、全国的にみれば、岩手県は遅れていると言わざるを得ません。前述の「子どもの医療費助成制度拡充を求める岩手の会」が行った「子どもを持つ親へのアンケート」では、8月から一部の子どもの医療費が現物給付化されたことを「知らない」と答えた人が約半数に上るなど、県民への周知方法について課題が残っています。一方で、「知っている」または「このアンケートで知った」と回答した方からは、「少なくても義務教育期間までは導入すべきだ」という意見が大半でした。親世代へ周知させることがさらなる運動に?がるため、引き続き、県や各市町村の医療費助成事業及び現物給付対象者の拡大に向けて、地域住民や、関係諸団体との連携した活動を続けてまいります。

歯科では、テレホン相談や義歯ネーム入れ・口腔ケア等を通じ、会員及び市民との連携を大きく広げます。さらに、保険で良い歯科医療を目指す署名に取り組みます。また、定例となっている歯科医師会、技工士会・衛生士会との懇談等も継続し、歯科界全体で課題に取り組みます。

その他にも、県民の医療や健康に関わる活動について、広範な団体や人々と連携しながら進めていくとともに、地域医療崩壊を防ぐための要請、運動を続けていきます。

東日本大震災に関する取り組み

まず、被災者の窓口負担免除措置の継続については、6回目となる「被災者医療費負担アンケート」から得た、被災者の生の声と実態を伝えたことにより、引き続き、本年12月まで免除措置を継続させるという成果をあげることができました。しかし、約3割の被災者が応急仮設住宅等から出ることのできない現状や、自治体によって復興状況の格差が広がっていることから、免除措置を継続すること、窓口負担が発生している被用者保険加入者である被災者の免除を国の責任で再開するよう、働きかけを行います。

また、震災以前より地域医療の第一線を担ってきたのは開業医であり、被災者の命と健康を守るためには、開業医が安定した運営ができることが不可欠です。東京五輪を目前に控え、地方を蔑ろにする政治が続く中、資材の高騰、人口流出による人材不足は、医療機関においても物心両面で深刻な影響を及ぼしています。被災者の健康なくして、地域の復興はありえません。広範な方々と連携して復興の一助を担っていきます。

活動報告でも触れたとおり、日本国内いつどこで災害が起きてもおかしくない状況です。先の熊本地震でも、住民の長期的な避難生活が続く中、第一線を担う開業医の役割は非常に大きく、献身的に地域医療を守る姿が報告されております。そして、それをサポートするのが全国の保険医協会・医会です。不幸にも全国で災害が発生した際は、被災県としてのこれまでの経験を活かし、出来うる支援を行います。

保険医の経営と生活を守る取り組み

活動報告にもあるとおり、いわゆるアベノミクスにより、富が一部に集中し、大企業が莫大な内部留保を抱える一方で、医療費、社会保障費を削減する政策が、これまでにない速さで進められています。また、審査・指導や税制についても締め付けが厳しくなり、医院経営にも厳しい情勢だと言わざるを得ません。安定した医院経営が、国民、県民の健康増進に繋がるという観点により、以下の取り組みを進めます。

来年4月に行われる診療報酬改定について、全国的に取り組まれる会員署名などを通じて、現場の実態にそぐわない不合理な点数や施設基準等について改善するよう要求していくとともに、算定の講習会開催等、情報提供にも努めます。

個別指導・監査に関しては、指導大綱に謳われているとおり、懇切丁寧に行われることが大前提ですが、実際には、保険医が不当に高圧的な態度で指導を受けている事例が少なくありません。東北ブロック合同で「個別指導に関する実態調査」を行い、その結果を基に、東北厚生局との懇談の際に要請するなど、適切な情報提供や弁護士の帯同を考慮するなど、保険医の人権を守ることに尽力します。

税務経営に関することでは、税務調査への対応はもちろんのこと、医院経営に関わる情報を、随時、会報やセミナー開催などで発信し、開業、閉院、事業継承等の個別相談についても、きめ細やかな対応に努めます。

また、不当に高圧的な税務調査から保険医の権利を守るため、国税局交渉を継続して行い、必要に応じて、実態把握のための調査等も実施します。

会員のニーズに応える活動と組織を強化する取り組み

2016年度においては、過去の反省を踏まえ、各種講習会の開催に努めました。2017年度も活動を強化し、会員のニーズに沿った講習会の開催や情報提供を推進していきます。  また、会員からの個別相談に際しては、保団連10万5千人会員のネットワークを活用しながら懇切丁寧に対応し、困ったときに頼りになる保険医協会であるよう、日常世話役的活動をさらに強化します。

共済制度においては、会員の財産に不利益が生じないよう、安定した運営ができることを大前提とした制度保全対策に努めていきます。公的保障の少ない会員の将来の生活を支える制度として、「保険医年金制度」「保険医休業保障共済保険」「団体定期保険」を三本柱としながら、委託生命保険会社と連携し、普及に努めます。

上記の活動を充実させていくことが、組織強化と会員へのサービス向上に繋がるものとして、未入会員にも、保険医協会の活動と理念が目に触れる機会を増やし、新会員区分の検討を行うなど、会員の増加に努めます。

以上のように、協会は、「保険医の経営と生活、権利を守る」「国民の医療と健康の確保を図る」という2つの目的を達成するために、以下の各専門部の方針を基に、会員の協力・理解を得つつ、役員・事務局が一丸となり、また、保団連をはじめとする広範な団体と連携をとりながら、活動を発展させる所存です。

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