「岩手県保険医協会」国民の医療と健康の確保を図り、保険医の生活と権利を守る

 

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声明
2024.01.11

来年12月2日に現行保険証を廃止する閣議決定に抗議する

2023年12月26日

来年12月2日に現行保険証を廃止する閣議決定に抗議する

岩手県保険医協会会長
小山田 榮二

岸田首相は12月22日、現行の健康保険証について2024年12月2日から新規発行を停止し、原則廃止することを閣議決定した。
 しかし、医療現場ではマイナ保険証によるトラブルが現在も続いている。当協会で12月に行った調査では、「10月1日以降にマイナ保険証・オンライン資格確認に関するトラブルがあった」との回答が59.5%と、マイナ保険証の利用率が下がっている中でも、多くの医療機関がトラブルを経験している。さらにトラブルについてどのように対応したかとの設問(複数回答可)には、79.6%の医療機関が「その日に持ち合わせていた健康保険証で資格を確認した」と回答している。このまま、現行の健康保険証を廃止すれば、医療機関窓口でのトラブルが大幅に増加することを懸念する現場の意見も多く寄せられた。現行の健康保険証を廃止することは、国民にとっても医療機関にとっても大きな負担となることは明らかである。

病気やケガの時にすべての国民が安心して医療を受けられるようにするためには、すべての国民に遅滞なく健康保険証を発行・交付することが必要不可欠である。しかし、政府の「総点検」においても、医療現場でのトラブル・混乱は全く解決されていない。現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化すれば、申請の漏れや遅れ、行政手続きによるタイムラグなどによって「無保険の状態」を作り出してしまうことは避けられない。このような根本的なマイナ保険証の欠陥を改善する姿勢を見せることなく、一方的に健康保険証の廃止を決定することは、国民の医療への確実なアクセスの保障ができなくなってしまうという、日本が世界に誇る国民皆保険制度の根幹を揺るがす重大な問題であるという認識を、岸田首相はじめ、閣僚、関係省庁は持ち合わせていないと指摘する。

繰り返すが、国民の不安が高まり、マイナ保険証の利用率も下がるなかで、昨年10月の河野デジタル大臣の唐突な発言を受けて、現行の健康保険証の廃止を強行する政府の態度はあまりにも無責任で不誠実だと言わざるを得ない。いつでもどこでも誰でも医療を受けられることができ、医療現場での混乱を防ぎ、問題を解決するためには、「資格確認書」の発行などのその場しのぎではなく、現行の健康保険証を存続することが一番の解決策である。

当協会は、国民への丁寧な説明や国会での十分な審議を経ていない今回の閣議決定に抗議するとともに、決定の撤回を強く求める。

 

来年12月2日に現行保険証を廃止する閣議決定に抗議する(PDF形式)

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