「岩手県保険医協会」国民の医療と健康の確保を図り、保険医の生活と権利を守る

 

TOPICS-お知らせ-

声明
2010.06.10

包括病床入院患者さんへの他医療機関からの投薬を認め、入院基本料減額や他医療機関での算定制限を撤廃してください

厚生労働大臣 長妻 昭 様
中医協委員 各位
国会議員 各位

包括病床入院患者さんへの他医療機関からの投薬を認め、
入院基本料減額や他医療機関での算定制限を撤廃してください

2010 年6月 10 日
岩手県保険医協会
会長 箱石勝見

前略 お世話になります。

さて、中医協において、出来高病棟に入院中の患者さんが他医療機関で外来受診の必要が生じた場合に、専門的な診療に特有な薬剤については他医療機関で投薬できるよう通知を改正することが確認され、6月4日付で課長通知が出されました。ご尽力に心より感謝申し上げます。

しかし、中医協でも論議されているように、他医療機関受診の問題はこれだけでは解決できません。入院中の患者さんへの必要な医療を確保するためには、包括病床入院患者さんへの専門的な投薬を認めるとともに、入院基本料の減算や他医療機関の算定制限の撤回が必要です。

当協会では、他医療機関受診の投薬制限について実態調査を実施した結果、「緑内障で通院中の患者様が他の病院に入院しました。点眼薬が欲しいと家族からの申し出があり、その時は入院先の病院から処方してもらうよう話しましたが、その病院には眼科がないですし、同じ薬を処方してもらえるかも心配。」など、患者の健康が損なわれかねない事例が寄せられました。

ぜひとも中医協においてご論議いただき、下記の2点の実現を早急に図っていただけますよう、お願いいたします。

 

1 包括病床入院患者さんへの専門的な薬を従来通り他医療機関で投薬できるようにしてください

包括病床入院患者さんについても、専門的な診療に特有な薬剤については受診日に限らず他医療機関で投薬できるよう通知を直ちに改正してください。

3月までは、包括病床の入院患者さんが他医療機関で専門的な診療を行い、それに基づいて投薬を行った場合は、入院料の基本点数を 70%減額するかわりに、専門的な診療に特有な薬剤については他医療機関で投薬できていました。

そもそも入院中の患者さんの他医療機関受診は、入院医療機関では対応できない専門的な診療が必要だから行うのです。従来どおり包括病床入院患者であっても、他医療機関で投薬し、その費用は他医療機関で請求できるよう、4月改定以前に戻してください。

また、入院料に包括されない診療のみが行われる場合には入院料の減額をやめてください。

 

2 出来高病棟入院患者の入院料減額及び他医療機関での算定範囲の規制を撤回してください

出来高病棟入院患者さんについては3月までは規定がなく、医学的な必要に応じて他医療機関で専門的な診療を行うことができました。

出来高病棟で実施する診療と、他医療機関で実施する専門的な診療には、原則として重なる部分はありません。入院基本料の減額や他医療機関での算定範囲の規制は、必要な専門的な診療を阻害します。

入院患者が当該医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療を他の医療機関で受け、当該医師による治療を受けられることは疾病の回復を促進します。

出来高病棟入院患者に対する入院料減額や他医療機関での算定範囲の規制を廃止してください。

 

包括病床入院患者さんへの他医療機関からの投薬を認め、入院基本料減額や他医療機関での算定制限を撤廃してください(PDF形式)

 

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